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「Okinawa Startup Program」がデモデイを開催

琉球銀行(東証:8399)、沖縄タイムス、沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日本トランスオーシャン航空、大同火災、JTB 沖縄、琉球放送(RBC)の8社は5日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは5年前に琉球銀行が単独で運営を開始、2回目からは主催者に沖縄タイムスが、その後、沖縄セルラー、沖縄電力、JTA、大同火災、JTB 沖縄、RBC が加わった。

このプログラムには例年、沖縄県内外はもとより、近接する韓国や台湾から日本市場進出を試みるスタートアップが参加してきた。参加スタートアップのソーシングにあたっては、STARTUP Lab Lagoon、FROGS、アントレプレナーシップラボ沖縄の各起業家支援機関に加え、台湾政府の工業技術研究院(ITRI)傘下のスタートアップ支援組織「Taiwan Tech Arena(TTA)」が協力している。

冒頭挨拶する琉球銀行頭取の川上康氏
Image credit: Okinawa Startup Program
Okinawa Startup Program の過去のプログラムに参採択された加したスタートアップ53社(前バッチまで)のうち、人材管理クラウド開発のサイダス、ソーシャル EC プラットフォーム「temite(テミテ)」を運営する EC-GAIN、貨物車両と荷主をつなぐマッチングプラットフォーム「PickGo(ピックゴー)」を運営する CBcloud、沖縄発の運転代行マッチングプラットフォーム「AIRCLE(エアクル)」を運営する Alpaca.Lab は、琉球銀行の「BOR ベンチャーファンド」から、それぞれ資金調達した。

また、これまでに採択されたスタートアップでは、マッシグラが沖縄タイムスと共同出資でマッシグラ沖縄タイムスを設立し、沖縄県下5ヶ所でシェアオフィス/コワーキングスペース「howlive」を展開している。幹細胞の大量培養技術を使った再生医療スタートアップのフルステム、物流の供給と需要をマッチングする CBcloud には沖縄タイムスを含む複数の企業から資金調達に成功した。沖縄ツーリスト(OTS)からスピンオフした OTS MICE MANAGEMENT は、琉球放送と資本業務提携した。

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今回の6回目のバッチには合計7チームが参加。内訳を見てみると、沖縄県内から3チーム、東京から2チーム、TTA の推薦で台湾スタートアップ2社が参加した。以下に参加全チームの発表内容を紹介する。

ソトリスト by URAKATA(沖縄・浦添)

URAKATA CEO 山田慎也氏
Image credit: Okinawa Startup Program
コロナ禍で屋外のレクリエーションが重宝される中、新たにキャンプを始めようとする人は増えている。しかし、キャンプで面倒なのが、始める前の道具の準備と、始めた後のメンテナンスと保管が課題だ。URAKATA によれば、キャンプ用品購入者のうち、1年に1回しかキャンプに行かない人が実に21%で上ることわかった。しかに、キャンプ用品は意外と高価であり、メンテナンスは面倒で保管するにも場所を取るので、都市部の狭い集合住宅などに住む人は持て余してしまうかもしれない。

Image credit: Okinawa Startup Program
同社のソトリストはキャンプ用品を所有者から無料で預かり、ユーザに貸し出すサービスだ。用品調達のための費用がかかっていないので、貸出料金が安いことも特徴で、買うと10万円ほどするキャンプ用品一式を1泊9,000円程度で借りることができる。キャンプ用品が貸し出されると、ソトリストは料金の8割を運営コスト・利益として受け取り、残りの2割は所有者に還元される。昨年7月からサービスを開始し、ユーザは21,000名を突破した。提携キャンプ場の予約機能なども実装し、キャンプ施設の立ち上げなどにも携わる。

VRUITZ DETOX / VRUITZ WORKS by VRUITZ(東京・恵比寿)

VRUITZ CEO 榎田寛之氏
Image credit: Okinawa Startup Program
労働環境の変化に伴い、人々は自ら仕事を受注することで、スキルアップを図り生計を立てていく必要に迫られるようになった。フリーランスや起業家だけでなく、企業に勤める人も積極的に副業も求められるようになった。IT に従事する人はスキルがあるから副業はしやすいと思われがちだが、実際には本業の仕事が忙しく余裕がなかったり、自ら受注営業することに苦手意識を持っていたりする人が多い。VRUITZ の VTuber/チャット AI「なるはやちゃん」は、これまでに5,000人にキャリアアドバイスを行ってきた。

Image credit: Vruitz
自分が好きな土地で、自分の価値を最大化できる体験を提供する、というのが同社のコンセプトだ。沖縄の自然あふれる環境で自分の武器を見つけてもらい、その武器を生かした仕事の受注を支援する。「VRUITZ DETOX」では、旅行費用とコーチング費用を参加者本人に支払ってもらい、スキルを身につけた人には「VRUITZ WORKS」で沖縄企業との仕事マッチングを行い、成功報酬型で手数料収入を得る。メンタルケアに関する動画を YouTube に多数公開しており、そこからのオーガニック流入で顧客を獲得している。

ルールテック by Dayz(東京・日本橋)

Dayz 代表取締役 玉城朝氏
Image credit: Okinawa Startup Program
2008年に創業、各種システム開発を担ってきた Dayz が第二創業として挑むのはリーガルテックの領域だ。既存の契約書に関するリーガルテックは、契約書の作成、締結、そのファイル管理などを SaaS で対応できるようしたものが多く、紙でのやり取りはデジタル化されているものの、その作業プロセスに大きな変化は起きていない。Dayz では、契約文書のほとんどがテンプレートに沿ったものであり、内容は法務部分とビジネス部分に大別されるが、その両方を法務部門が確認していることに着目した。

Image credit: Dayz
ルールテックは、契約文書を固定文章部分と、パラメータに分解。前者は主に法務に関わるため法務部門が確認、後者はビジネスに関わるため担当する現場が確認する。プログラミングでいう構造化の考え方を契約の世界に持ち込むことで、難解な文章を端的に理解できるような仕組みを導入、すでに特許も出願しているという。同社では、企業複数社の導入事例とあわせ、今年5月中旬前後のサービスローンチを目指しているという。契約のコストとハードルを下げることで、後々トラブルを招きがちな口約束の契約化を促す。

A.I.R. by Singularity & Infinity/奇点無限(台湾・台北)

Singularity & Infinity(奇点無限) CEO Chung Lankun(衷嵐焜)氏
Image credit: Okinawa Startup Program
理論と現実の間にはギャップがある。現実を理論に近づけることができれば、世の中のさまざまな問題を解決したり、最適化したりすることができるはず。台中の Feng Chia University(逢甲大学)の GIS Research Center(地理資訊系統研究中心)で助教授を務めていた Chung Lankun(衷嵐焜)氏はそう考え、教職の辞して始めたのが Singularity & Infinity/奇点無限だ。従業員の43%が数学者で知られる同社では、理論計算に従って最適な荷物の配送経路を提案してくれる「A.I.R.」を開発している。

Image credit: Singularity & Infinity/奇点無限
A.I.R. には大企業向けの API 版と中小企業向けの Web 出版 が存在するが、いずれも、荷物の届け先リスト(配達指定時刻含む)、フリート(配送車両)データ、ディスパッチングデータを入力することで、AI が1分ほどで計算し、天文学的数値に及ぶ配達パターンの中から最適な経路を導き出し提示してくれる。同社の技術は物流の他にも、製造業の生産ラインの作業手順最適化労働力の効率化運用、生産能力を最大化や納期順守にも効果を発揮することがわかっている。

Moisculture by Cultivera(沖縄・恩納)

Cultivera Founder & CEO 豊永翔平氏
Image credit: Okinawa Startup Program
世界中で気候変動が問題視されている。沖縄では例年、真夏日が35日間ほど続くことが恒例化しているが、今世紀末は89日間にまで伸びると考えられるという。こうして起きる環境変化で最も憂慮すべきは海面上昇だ。海面上昇により世界の灌漑農地のうちの4分の1から5分の1程度は、塩害により農業が難しくなる。同時に砂漠化も相まって、食糧生産に適した土地はますます少なくなっていくだろう。歴代の文明は人口増大に伴う食糧生産が支えられずに滅んだことを考えると、現代の食糧問題は人類の死活問題でもある。

Image credit: Cultivera
沖縄科学技術大学院大学(OIST)のインキュベーション施設と、三重県多気町の農業生産法人 POMONA FARM に拠点を置いて活動する Cultivera は、空気中の湿度だけで植物を育てられるなど、水の使用量を極端に抑えられる農業生産システムを開発している。特殊繊維を蓄積させた人工培地シートを用い、根域空間の湿度を制御することで植物の湿気中根を培養させる。これにより植物の水消費量を10分の1にできる。現在は、淡水化に頼らない海水での農業、海上ファーム(グリーンオーシャン)の開発にも取り組む。

炭素回生システム by Retech Flow(沖縄・那覇)

Retech Flow 代表取締役 瀬名波出氏
Image credit: Okinawa Startup Program
琉球大学発の Retech Flow は、CO2 の分離・回収技術と、CO2 付加による成長促進効果(ブルーカーボン効果)の2つの独自技術を強みとするスタートアップだ。前者については、二酸化炭素を液体溶解する際、従来のバブリングではなく液体をミスト噴霧することで、ほぼ100%の二酸化炭素回収を実現した。また、後者については、海藻は光合成をするのに二酸化炭素を必要とするが、最適な流れで二酸化炭素を追加的に付与することで、1ヶ月で通常栽培の4.6倍の大きさにまで成長することが実証できたという。

Image credit: Retech Flow
これら2つの技術で Retech Flow が目指すのは、炭素回生システムの実現だ。火力発電所や大型プラントから発生した CO2 を分離・回収、その CO2 を溶かした海水により海藻を高速養殖(主に海ぶどうを想定)、育った海藻をバイオ燃料として前出の発電所やプラントで利用してもらうことでエコサイクルが出来上がる。二酸化炭素を海藻に固定化できるため、ブルーカーボン技術としての期待も高い。コンテナ型の海藻養殖システムを開発するほか、藻類を使ったマイクロプラスチック削減プロジェクトにも参加している。

Turing Certs/図霊証書 by Turing Chain/図霊鏈(台湾・台北)

Turing Chain/図霊鏈 日本エリア担当 石川真理氏
Image credit: Okinawa Startup Program
Turing Chain/図霊鏈が提供するのは、ブロックチェーンを使った証明書の発行、受取、管理、認証が行えるプラットフォーム「Turing Certs/図霊証書」だ。大学の卒業証書、芸術作品の認定書、農作物の産地証明などに利用してもらうことで、学歴詐称、贋作流通、フードトレーサビリティなどに活用できる。ローンチから1年ほどであるが、UC Berkeley(カリフォルニア大学バークレー校)の Law Executive Education(弁護士向け法科大学院コース)をはじめ、80以上の政府機関や教育機関に導入されているという。

Image credit: Turing Chain/図霊鏈
Turing Certs の普及は、そのシンプルな UI/UX によるところは大きい。デジタル証明書はワンクリックで確認でき、証明書の発行側も受取側もインターネットにつながっているだけでよく技術的なハードルが低い。情報はブロックチェーン上に記録されているため、仮に Turing Chain が事業を停止しても、記録は残され情報の漏洩が起きることもない。証明書1枚あたり120〜300円で利用できる。これまでに9カ国にある8つの政府機関、35の大学、42の機関が Turing Certs で合計23,000枚以上の証明書を発行している。

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